人間は変わることを猛烈に恐れる!!
みなさん、こんにちは。
人生100年時代の哲学を考察する Life100年研究所の 加藤 虎之介 です。
◇◆人間は変わることを猛烈に恐れる!!◆◇
最近、読んだ本からの話。
今回ご紹介する本は、ダニエルキイス著「 アルジャーノンに花束を 」です。
本書を読んだ後に考えたことは、ハッピーエンドで終わらせることは出来なかったのかな〜〜とついつい思ってしまいました。
そこで本書のことを書く前にWikipediaで「 アルジャーノンに花束を 」調べたところ、著者のダニエルキイスさんは友人の作家ウィリアム・テンさんからハッピーエンドで終わらせるなと忠言したそうです。
ハッピーエンドじゃなかったからこそ、世の中の人々に読み継がれてきたとも言えます。なぜなら、ハッピーエンドにしてしまうとエンターテイメント性は高まりますが、著者が強く訴えたかった人間の「知能」と「他人への攻撃や暴力」といった人間が持っている善い面と悪の面との対比を訴えることは出来なかったと考えられるからです。
また本書は上記のこと以上に多くのことを教えてくれます。
それは、人間は本質的に環境を変えたくない生き物であるということです。知恵遅れの主人公であったチャーリーが、手術によって突然「天才」になってしまうと以前から彼を知っている人間は、チャーリーを仲間とは思わず敵のように見てしまったからです。
もちろん、敵として見られてしまうにはチャーリー自身の他人との関わりに問題があることは事実です。しかし、それでも人間というのは知らず知らずのうちに上下関係を構築しているのかもしれないというのが本書を読んで感じました。
チャーリーの手術をした医師たちですら、自分の立場を良くするためにチャーリーを使ったのに過ぎなかったからです。医師たちの行動は、人間のエゴじゃないのかとも取れるのですが、このようなリスクをとるガッツのある医師や科学者たちがいたからこそ現代医療や科学の発展が築かれたことを鑑みると人間のエゴを「悪」と単純に断定することにも完全な納得が出来ない自分も認識します。
本書はSF的な観点で書かれたそうですが、人間の「エゴ」や「知能」や「暴力性」など多くの普遍性を問うていることに気付かされます。
読後スッキリしないのは、そういう人間が持つたくさんの本質を読者に色々と考えさせられるからなんじゃないかと思うからです。
本書を読んで学んだことは、人間というのは欲と知性のバランスを取りながら周囲の人と関わって生きていく生き物だということです。自分の欲望ばかりを追っても他人を不幸にしてしまうし、それに対抗するために知性を向上させても優しさを失ってしまうとこれまた社会性がなくなってしまうんです。
そういう微妙な舵取りをしながら人間は成長していく必要があるんだろうな〜〜と思いました。
今回は本の内容が少しヘビーだっただけに、緩い書評にしました。
あと、追記で本書を読んで若い頃に見た映画を思い出しました。その映画は、ロバート・デ・ニーロ主演の「 レナードの朝 」です。
この映画は実話を元に作られた映画なんですが、二つの作品で共通しているところがあるのです。
それは主人公が、長い間一般社会に普通の人として受け入れられなかった人であったにもかかわらなかった点です。そしてその後、医師の手術や投薬によって、主人公が普通の人かまたはそれ以上の知能を一時的に獲得してしまった点です。そして物語の最後では、主人公はその後知能の低下を起こし以前の姿にに戻ってしまうという点です。
医師によってというのは、科学の力によってということです。科学の力で主人公が本来持っていた?と思われる能力を獲得しても主人公たちはその能力を維持出来ずに最終的には能力の低下を起こし元の状態になってしまう。
二つの物語に共通している周囲の人々の反応というのは、変化(主人公の能力向上)を歓迎する人よりも前の状態(知恵遅れや寝たきり)を望む人が多いということを暗に示していた点です。
人間というのは、良きことを望むのにも関わらずそのくせ現状を大きく変えられることに想像以上に抵抗するという本質が上手く描けています。本書と併せて新年におすすめしたい映画です。
それでは、今日はこの辺りで終わりにしましょう。
本記事は、 1月13日付の 「 2050’s 哲学の源 」の引用です。
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