「お金」を宗教化することは危険だ!!
みなさん、こんにちは。
人生100年時代の哲学を考察する Life100年研究所の 加藤 虎之介 です。
◇◆「お金」を宗教化することは危険だ!!◆◇
最近、読んだ本からの話。
今回ご紹介する本、かなり昔の人が書かれています。
しかも、ロシア人です。このように書くと、すぐに思い浮かばれるでしょう。そうです、今回の著者はドストエフスキーさんです。パチパチパチと一人で盛り上がってしまいました。著書は、「 カラマーゾフの兄弟 」です。
この物語、何ていうか出だしが物凄く重いんです。
主人公のカラマーゾフの3兄弟の父親の話が前半にあるのですが、現代社会で表現すると無茶苦茶な人生です。140年前に書かれたとは思えないほど、性欲や色欲を貪っているのです。いくら地主階級といっても、こんな自堕落と言うか、放蕩と言うか享楽的な生き方といったことができるというのも羨ましいというより感情よりも、荒んでいるな〜〜と思ってしまいました。
特にドストエフスキーさんの本を読んで、印象に残ったところがあります。
それは、物語に置いて「お金」に関しての記述の現実感です。
現代日本は資本主義を取り入れているので、日常の生活においてお金がないと活動に制限を受けるものです。現実世界ではもちろんそうですよね。
ところが、ドストエフスキーさんの物語だとお金の流れを事細かに描写するのです。この物語の後半なんか、親と子、その間に同じ女性を気に入る、一番目の兄と2番目の弟との間にも別の女性が絡みますし、ここの間にも「お金」にまつわる物語を絡めています。
3番目の弟、この人こそこの物語の主人公と言っても良いアリョーシャといいます。この人は、特に「お金」絡みの物語はなく崇高な精神性を持った発言をさせるのです。ロシア正教会で修行している身という設定でした。発言や行動も、聖職者らしい物語で唯一人間の欲望の欠片も感じさせない設定なんです。
本書は、ロシア帝国時代に書かれた本です。(1879年 Wikipediaによる)貴族階級や農奴など現代ロシアとの違いは理解できますが資本主義社会のようにかなりお金がないと日々の生活が大変な印象が物凄く残りました。
日本人作家の池波正太郎さんも、江戸時代を舞台にした物語を書いているのに食事代など細かいやり取りの描写を書かれていることを思い出させました。
ドストエフスキーさんが当時の人間の欲望や倫理を客観的に批判する手法として、「お金」と「宗教」の対比を行いたかったのかなというように感じました。資本主義の現代でも、「お金」が宗教化していると批判する人もいます。
便利な道具のために、人間が欲望と向き合わなければならない状況はどうなの?という国民への問いかけだったのかもしれません。
そのくせというか、当のドストエフスキーさんなど人妻を好きになったり、若い女性を好きになったりと、カラマーゾフ兄弟の父親のような生き方をしているんです。自身の反省も込めて本書を書いたのでしょうか。そのあたりが俗物的に興味を持ちました。
本書を読んで学んだことは、「お金」を宗教化することの危険性です。
「お金」は所詮、道具だと割り切ることで人間の精神性の向上を追求することが心穏やかに生きていく秘訣であることを学びました。本書では、「お金」を巡って最終的に裁判も起こります。ここまでいく過程も、人間の心の奥深くに根ざす卑屈というか暗黒面をネチネチと描いてるんです。このドストエフスキーさんって人は。
感情移入しやすい人は、読んでいる途中でしんどくなるかもしれません。少しヘビーな面もありました。万人向けというより、道徳や倫理、宗教、お金に興味のある人向けの物語だと感じました。
読んで、ハッピーになるという類の本ではありません。
今回は、たまたまメルカリで3冊セットをお値打ちで購入したのです。文庫本3冊だから余裕に読めるでしょと思っていたのですが、仕事の休憩中のみで読破するのに3ヶ月ほどかかってしまいました。
私自身、読むスピードの速さも、もう少し意識すべき時期になっているのかもしれません。
理由は、もっといろいろな本も読みたいからです。
なかなかヘビーな内容の本でしたが、中高年になってから初めて読んだので思ったほど気分は落ち込みませんでした。逆に、登場人物を反面教師として自分の内面に取り入れて、より良い人生にしていきたいと思ったほどです。
長寿社会になって、いろいろな生き方が模索できる時代です。
古い物語からでも、生き方のヒントが得られる社会というのは素晴らしいですね。
これからも、面白い本を読み続けたいと思いました。
今日は、この辺りで終わりにしましょう。
最期までお読みくださって感謝します。
本記事は、10月28日付の 「 2050’s 哲学の源 」の引用です。
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