生活には全く必要のない習い事に、日本的思想・哲学が隠されている

 

みなさん、こんにちは。

人生100年時代の哲学を考察する Life100年研究所の 加藤 虎之介 です。

 

◇◆生活には全く必要のない習い事に、日本的思想・哲学が隠されている◆◇

 

最近、読んだ本からの話。

著者のオイゲン・ヘリゲルさんは、1884年ハイデンベルク近くに生まれました。

ドイツで神学を学んだ後、哲学で学位をとられ第一次世界大戦に従軍後の1924年(大正13年 40歳頃)に東北帝国大学講師として婦人グスティさんと共に来日、哲学とギリシャおよびラテンの古典語を担当されました。

今回ご紹介する本の種内容は、滞日中の5年の間、阿波研造(日本の弓道家)氏に日本の弓術を学んだ際に得た日本古来からの思想・哲学を分かりやすくドイツ人向けの講演(日独協会の委嘱委嘱による)をした際の原稿を日本語訳にしたものです。

何故ドイツ人のヘリゲルさんが日本の弓術を学ばれたかといいますと、ドイツで神学を学ばれていた時に神秘説が完全に理解できなかったそうです。

そんな思いを悶々と抱えていた時に、日本の東北帝国大学で働かないかという問い合わせがあったことをきっかけに仏教思想に触れ、少しでも今まで理解できなかった神秘説を理解したいという思いもあって、来日を決心されました。

そこで仏教の精神を理解しやくするために日本の術を学ぶことが近道なのではないかという仮説の下、ヘリゲルさんは弓術、奥さんが生け花生け花と墨絵を習うことにしたそうです。この時、夫婦別々でそれぞれの術を習うのではなく一緒に同席されて学ばれたそうです。そのことも、ヘリゲルさんが日本の仏教思想に根差した、弓術の哲学(道)を極めることに役立ちました。

日本人の私からして、弓術いわゆる弓を射った経験はありません。現代人のほとんどがそうでしょう。

恐らく、柔道なら学校で経験があると思います。(男性なら)

しかし、弓術を行う場所を持っている学校は現代では少ないのが実情だと思います。

そんな現代としては特殊な術である弓術を、時代は違ども当時の外国人(ドイツ人)が日本に来日した経験として(日本文化を真に理解したいという強烈な思いとして)習われた行動力は私たち一般人も多いに見習うところだと思いました。

また、当時有名だった弓術指導の先生に師事されたことで人種を超えた師弟関係を築かれたのはグローバル化した現代人のお手本です。日本を離れてからも、元同僚と手紙のやり取りは行っていたらしく、その度に自分の術が自己流に陥っていないないかと悩まれていたそうです)

しかも、日本の弓術という物凄く伝統や格式を重じている様なイメージがする団体において、人種を超えた人間関係を100年近く前の人たちが取り交わしていたという事実こそ、現代人への強烈なメッセージと私は受け止めました。

本書を読んで、ヘリゲルさんが日本的な哲学思想を会得され、最終的には人間性の向上も果たされたことがよく理解できる内容となっております。

日本的な哲学思想をなかなかヘリゲルさんが理解できない件は、現代人の私からすれば非常によくわかるエピソードの一つです。

その辺りを本書を引用します。

そこである日先生を訪れて、自分にはこの狙わずに中てる中てるということが理解も習得もできないわけを申し述べた。(中略)

しかし、自分にはできないという意識が、私の心に深く食い込んでいたので、私たちの話はなかなかうまく進まなかった。すると先生はついに、私の行き悩みは単に不信のせいだと明言した。ーーー「的を狙わずに射中てることができるということを、あなたは承服しようとしない。(中略)

 

この後、ヘリゲルさんは夜の9時頃阿波宅で落ち合うことにされるのです。

当時としては真っ暗な時間に二人で弓道場に行き、その真っ暗な(蚊取り線香の灯程度)暗闇で、阿波先生は的に矢を中て続けて次の矢は先に当てた矢に中てたそうです。

一番目の矢が中るのは熟練だと言っても、二番目の矢を一番目の矢に中てるということは神がかりとしか表現できません。

阿波先生がヘリゲルさんに何度も言った様に、「 的を狙わずに射中てることができる 」と本気で思い込むことの重要さがこの夜中の件をきっかけにヘリゲルさんは理解したそうです。

それ以降、ヘリゲルさんは阿波先生に叱責される回数が減り最終的には免状までもらう腕前になるのです。

現代日本人は西欧の教育をそのまま輸入しているので、当時のヘリゲルさんが弓術を習った時の心境がものすごく共感できます。

しかし、歳をとって来ると阿波先生がヘリゲルさんに対して言った言葉も理解できるようになりました。( 経験を経てきたことで、日本的な思想・思考を知らず知らずのうちに学べてきているのかもしれません。 )

私たち日本人が失いかけている、(大乗)仏教をベースとした思想・思考を外国人( 今となっては現代人の目線としても )目線から学ぶことができます。

今回ご紹介した本は、ヘリゲルさんがドイツにおいての日本での経験をもとにしたドイツ人向けの講演内容を、日本語に訳した書です。

そして、それ以外に著者の通訳として一緒に弓術を学んだ人( 小町谷壮操三さん)の述懐が載せられています。(小町谷さんの文章が現代風で理解しやすいです)

弓術という、生活には全く必要のない武術や習い事に日本的思想・哲学を見出す外国人の嗅覚は現代日本人の私たちも多いに参考にすべきだと反省しました。

みなさんは、何か日本的な習い事をされていますか?または、日本的な思想を学ばれていますか?

 

ご紹介した本は、「 日本の弓術 」です。

 

今日は、この辺りで終わりにしましょう。

 

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